Bleu Saphir

22 ans のひとりごとブログ

About "GHIBLI" 〜 三鷹の森ジブリ美術館 〜

先日、ジブリ美術館に行ってきました。今までなぜだか忘れにわすれ続けていたのを運良く思い出し、かつタイミングが良かったので行くことに

今回初めて知ったのですが、ジブリ美術館のチケットは「日時指定の予約制」なんですね!1月末にチケットを取ってもらったのですが、その時すでに3月分はほぼ売り切れ状態という人気ぶり。さらに美術館に行って驚いたのが、その外国人客の多さ。改めてジブリ作品・宮崎駿ワールドの人気のほどが伺えます

館内の展示はジブリ作品にとどまらず、映画の制作過程が見られる常設展や、絵本を集めた図書室さらにはジブリオリジナルやオススメの短編アニメが見られる映画館など、バラエティーに富んでいました

中でも印象的だったのは、「動きはじめの部屋」にあった「ゾートロープ(ゾエトロープ)」というもの。ゾートロープ(Zoetrope)とは回転のぞき絵とよばれるもので、回転する筒の内側に描かれた連続する絵を外側の穴から覗くことで、あたかも絵が動いているかのように見せる装置。そしてこれがアニメーションの原型となっています(ちなみに語源はギリシャ語のzoe(生命)とtrope(回転)を組み合わせたものだそう)

この部屋ではゾートロープの原理を用いた展示が4つほどありました。1つ目は先ほどの説明と同じ筒状のもの、2つ目は円盤状のもの。3つ目は塔状のもので、これは公共空間での広告等に使われているよう。そして4つ目は、立体状の「トトロぴょんぴょん」。人形を高速回転させ、そこにLED照明を当てることで人形が回転方向とは逆方向に動いているように見える、というもの。いわゆる「ストロボ効果」を利用したものですね

アニメーションの仕組みを初めて目の当たりにしてとても衝撃を受けたのと同時に、その原理を分かりやすく伝えてくれる展示方法に感動しました

他にも建物内のあらゆる部分に館主の遊び心が隠されており、とてもワクワクする、それでいて居心地のよい空間が広がっていました。子供たちがとても楽しそうに、生き生きとしていたのも印象的。ただ残念なことに館内は撮影禁止だったので、写真はまたまた外観のみです ↓

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トトロの受け付けは、実はダミー

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窓はステンドグラスで装飾されており、そこにはジブリのキャラクターたちが

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屋上にはこの子の他に、ラピュタを動かしている「石」もありました

とても充実したひと時を過ごすことができました^ ^ Gちゃんありがとうございます!

 

さて、ここで少し話題を変えて、ジブリ美術館ではなく「ジブリ」の話をしようと思います。私のような今の若い世代にとって、ジブリ作品には小さい頃から慣れ親しみ、また共に育ってきたという人も多いのではないかと思います(「タタラ場」の話がそれを象徴していますね)。私自身も今までいくつものジブリ作品を見てきましたが、その中で特に印象に残った作品5つについて、少し書こうと思います。なおここでの「ジブリ」とは、従来のジブリ作品に加えスタジオジブリが関わったもの・宮崎駿さんが関わったものを含めた広義な意味でも使用しているので、その点ご留意下さい

ルパン三世カリオストロの城

公開から30年以上経った今も多くの人に愛され続けている、アニメ映画の金字塔。私も幾度となく見返してきましたが、何度見てもあの屋根を飛ぶシーンでは手に汗をかいてしまいますね(^ ^;)

またふだんのアニメではドジを踏むことが多いとっつぁんが、ゴート札の証拠を全世界に生中継したり、最後にキメ台詞を放つなど、ある意味ルパン以上の存在感を持っているのも見どころの一つ。余談ですが、私はとっつぁんのお陰でICPOの職員は当然逮捕権があるものだと思っていました…。だってあれだけ「ICPOの銭形だ。ルパン逮捕だ〜!」って言って手錠振り回してるんだもの…。当然そう思う人がいてもおかしくないよね?←言い訳

また本作が題をとったモーリス・ルブラン作の「カリオストロ伯爵夫人」は読みましたが、続編である「カリオストロの復讐」や、湖中の遺跡というアイディアの元になった同じくルブラン作の「緑の目の令嬢」などはまだ読めていないため、それらを含めた一連のアルセーヌ・ルパンシリーズを一気に読み通したいです

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②「夜のとばりの物語」「夜のとばりの物語 ー 醒めない夢」

今回ここにあげる5つの中で、おそらく意外と知らない人が多いであろう作品。私自身劇場公開のときには残念ながらこの作品を知らず、某レンタルビデオ屋でこの作品と出会いました

フランスのアニメーション作家、ミッシェル・オスロ氏が紡ぐ、夢と愛の物語。「夜のとばりの物語」が6編、続編の「〜醒めない夢」が5編の計11話。特徴は何と言っても、その光と影と、圧倒的な色彩美。この地球上にこんな美しいお話があるのかと衝撃を受けました

さらにはその映像にフランス語がとてもしっくりくる。もともと吹替え版は見ない主義なのですが、これは特に吹替え版で見たら完全に雰囲気ぶち壊しで台無しでしょうね…

内容としては、好奇心旺盛な少年と少女が、夜な夜な古い映画館で映写技師とともにお話を紡いでいくというもの。お話ごとに世界観が異なっているので、毎回新鮮な気持ちで楽しむことができます

本当に素晴らしい作品なので、見ていないという方はぜひ!

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③天空の城 ラピュタ

 小さい頃大好きだった2つのジブリ作品のうちの1つ、純ファンタジーの冒険物です

個人的に好きなのは、シータを助けた翌朝、パズーが屋根でトランペットを吹くシーン。トランペット自体が好きというのもありますが、トランペットを吹くパズーの姿がなんとも清々しくていい

あと印象に残っているのは、ムスカの悪役ぶり、ではなく拳銃の腕前。それぞれ一発ずつでシータのおさげを撃ち落とすのだから、大した腕前だなと感心していました

そういえば、作中ドーラの息子が飛行船の中でチェスをしているらしいですが、未だに確認していませんね…

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もののけ姫

こちらがもう1つの作品。小さい頃は、よく妹にもののけ姫の絵本を読み聞かせていたようです(←覚えてない)

小さい頃は、アシタカのようになりたいと思っていました。初めて「人」として認識し、尊敬した人かもしれません

そしてサンの顔にある赤い模様が入れ墨だと知ったときの衝撃は、今でも忘れられません。あれは、自分で彫ったものなのでしょうか…。だとしたら痛々しすぎますし、その悲しみは計り知れません

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風立ちぬ

宮崎駿監督が長編映画引退の会見を行ったことで、異例のロングラン公演となりましたね。今年に入ってからは金曜ロードショーでも放映され、それを機に見たという方も多いのではないでしょうか。私は劇場で観て以来、約1年半ぶりとなるご対面でした

実はこの映画、公開当初は全く見るつもりはありませんでした。最近のジブリ映画は観ていなかった上に、恥ずかしながら堀越二郎堀辰雄の名前を聞いてもピンとくるものがなく、興味を持てなかったからです

が、留学中の出来事がきっかけで興味を持つようになり、帰国後観ることにしました。今ではこの映画は、私にとって好きという次元を超え、かけがえのない存在になっています

多分今の環境にいなければ、そして彼と出会っていなければ、今とはだいぶ違う感想を持ったでしょうし、これほど心に響くことはなかったでしょう

風立ちぬはまた、今までのジブリに対するイメージを根本から覆す作品でもありました。これは、れっきとした大人向けの映画だと思います(小さい子たちはこの映画を見て、いったいどう思うんだろう…)。そして風立ちぬを観て以来、他のジブリアニメを見たいとは思わなくなってしまいました。その思いが変わるまで、たぶんしばらくはかかるでしょう

あの段階でこの作品に"出会えた"ことに、言葉で言い表せないほど感謝しています

Le vent se lève!...il faut tenter de vivre!

L'air immense ouvre et referme mon livre
 

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